ぼちぼちダイアリー

とにかくなんか書いてみよう!

何かあったら大変だから

今日は土曜日。キッチンでラジオを聴きながらお昼ご飯の準備をしていたら、電話が鳴った。伯母の入っている老人ホームからだった。伯母は4日前に転倒し、右膝の骨にひびが入ってしまった。今日になって、今度は左足がパンパンに腫れてきて、心配だから病院で検査をしてもらうという。そのまま入院する可能性もあるとのことで、3時過ぎに病院に向かった。

検査の結果、骨には異常がなく心配はいらないとのこと。確かに足がまん丸に腫れていたけど、ぶつけたときにできた青痣はうっすらと黄色くなり始めていた。「自然に治るから、このまま病院にいても特にできることはないですよ」とお医者さんは言う。

けれども、付き添ってくれた老人ホームの看護師さんは「心配だから、できれば入院させた方がいい」と言う。何かあったときに施設ではすぐに対処ができないから、と。伯母は心臓の持病のため血液をサラサラにする薬を飲んでいて、内出血が起きると影響が大きく出る可能性があるらしい。

病院側は「入院の必要はない」と言い、施設の側は「入院してほしい」と言う。そして私はその間でどうしたものかと考える。

病院側は新型コロナの影響もあり、なるべく入院患者を増やしたくないようだった。一方で施設の側は、何か起きたときすぐに対応できないというのが入院を勧める主な理由だった。特に夜間は各フロアに1人しかスタッフがいなくて、呼ばれてもすぐに行けないこともある。夜間の見回りも2時間に1回しかない。今だけ特別に1時間ごとに見に来てもらえないのかと聞いてみたら、公平性を保つために一人だけ特別扱いはできない、そういう決まりなのだという。

うーむ。伯母には終の棲家として高齢者施設に入ってもらって、もう安心だと思っていたけど…。あらためて、施設は施設であって、病院ではないんだな…。話を聞いていくうちに、施設はいろんな決まり事の中で運営されていて、できることに限界があることをあらためて思い知らされた。ギプスをつけている伯母のおむつ替えには2人の人手が必要だけど、そのための介護スタッフの確保が難しいとか。寝たきりにならないようにリハビリを受けさせてあげたくても、コロナのせいで今は訪問ヘルパーや訪問リハビリも断らざる得ないのだとか。

病院側は「本当は入院の必要はありませんが、希望入院という形も取れますよ。個室になりますがいいですか?」と言われ、伯母も「入院したほうが安心する」と言うので、大事を取って1週間だけ入院することにした。しかし、その個室の値段を聞いてびっくり。あれだけ入院をプッシュしてた施設の看護師さんも、金額を聞いて申し訳なさそうにしていた。

伯母は今の施設でとても良くしてもらっているけれど、今日の一連の出来事を思い返していて、何とも言えない気分。「何かあったら大変だから」「何か起きた時にすぐに対処できないから」という看護師さんの言葉が、頭の中をぐるぐるしている。大切な命をあずかっているんだから、本当にその通りだと思う。

でもちょっと不自由だなあ…何が不自由なのかなあ…去年自宅で母の介護をしていたときは、こういう不自由さはなかったな…決定権が自分にあったからかな…私は何が気になっているのかなあ…

まあ、今は無理に考えない。疲れたから、いったん考えるのをやめておこう。

 

写真は病院の帰り道に見た、雨あがりの夕空。広いところで見たかったな。

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