ぼちぼちダイアリー

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弱いヒーロー

昨日は散歩の途中で立ち寄ったTSUTAYAで、何か笑える映画が見たいなと思い『引っ越し大名』を借りてみた。星野源演じるヘタレな「引きこもり侍」が、ある日突然”引っ越し奉行”に命じられ、あまたの無理難題を乗り越えて、無事国替えを成し遂げる…というストーリー。笑いあり、涙あり、歌に踊りにアクションありと、なかなか楽しかった。会社勤めをしている人なら、藩を会社に置き換えて共感するところもたくさんありそう。

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私がいいなと思ったのは、この映画には「弱いリーダー」が描かれているということ。星野源さん演じる引っ越し奉行は、何も知らないから、人の話をよく聞く。損得を考えないから、信用される。嘘がつけないから、その言葉が説得力を持つ。できないことがあるから、まわりが助ける。そしてチームがまとまっていく。星野源さんは、そんな役柄にぴったりだった。

リーダーシップは強いばかりが正解じゃない。時と場合によっては、むしろ「弱いリーダー」「弱いヒーロー」のほうが、全体がまとまることもあるんじゃないかな。

 

昨日はほかに漫画『ちはやふる』の最新刊も借りてきた(知らない方のためにざっくり説明すると、百人一首競技かるたで頂点をめざす高校生の話です)。前の会社でマンガ好きのセンパイから借りて読んでいたんだけど、1年前に私が会社をやめて以来読んでないので、ずっと続きが気になっていたのだった。

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私が『ちはやふる』を好きな最大の理由は、主役を含めたキャラクターの一人ひとりが、とても丁寧に描かれているから。ストーリーは主役を柱に展開しながらも、その周囲の人の感情も丁寧にすくいとられていて、いつもハッとさせられる。「ああ、この人の立ち位置からはこういう風に見えるんだ」って、気づかされる。そういうのを省略して、ウェルメイドな作りにしまってもよさそうなのにね。いろんな角度から一人ひとりの気持ちを想像して、小さな声にも耳を傾けている。すみっこにいる人のこと、気にかけてくれてありがとうって思う。

TSUTAYAで借りてきた2作に、民主主義ってこういうことかしら…と思うのでした。

写真は今日の夕暮れの空。雲間から山に降り注ぐ光の筋がとても神々しかったんだけど、私のカメラではとらえきれず。

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